手間の掛かりすぎるパソコン初期設定2013/07/03 20:21

或る方から、パソコンの起動が遅いと相談され、家に持って来てもらい調べてみた。

よくある起動ドライブがソフトやデータでいっぱいになり、動きが重くなったのではないかと予想したが、そうではなかった。

電源ボタンを押しても起動しないのである。電源コードのパソコンへの差し込みを、挿したり外したりしているうちに、起動する。ただし起動までに数分かかることがあるというトラブルであった。

これは、小生の手に負えるものではなく修理に出した方が良いと助言したが、パソコンも古くなっており新しいものにしたいと言い、ネットショッピングをやってくれと頼まれた。併せ、初期設定は自分の手に負えないのでそれもやって欲しいと言う。結局、その方購入のパソコンはまず我が家に届いた。

14:00時前、宅急便で届いた荷物を開き、早速、初期設定を開始したのだが、驚くほど時間のかかる作業となった。

1.基本ソフトセットアップ
2.ウィルス対策ソフト初期設定
3.インターネット接続
4.メール設定
5.Windows Update
6.オフィスソフトインストール
7.バックアップディスク作成

これら作業のうち、1.基本ソフトセットアップと、2.ウィルス対策ソフト初期設定は、多少時間はかかるが、マニュアルに従ってやることで、無事終了。 3.インターネット接続は携帯無線LANによる接続だったので、特に何をすることもなく接続。

また、6.オフィスソフトインストールはソフトそのものはパソコンに既にインストールされており、こちらがやるのはプロダクトキー入力による認証手続きのみ。

ところが、残る三つのうち、4.メール設定に手こずり、5.Windows Update は大変な作業になった。7.バックアップ作成は4.メール設定が終わってないので、手を付けていない。

メールアカウント設定は、依頼者からのデータで設定した結果、受信は出来るのだが、送信が出来ない。サーバーが見つからないという警告が出て、送信できない。

プロバイダーのページを見て確かめても、サーバーのpop/smtp設定やポート番号設定に間違いはない。どうも、パスワードが違うと言うことらしい。

本人がプロバイダーに直接相談するしか手はなさそうなので、作業中断。結局設定は完了していない。

メールアカウント設定よりも遙かに時間を要したのが、Windows Updateだ。何と145項目もの重要な更新があると出た。早速更新を開始したが、延々とダウンロードが続き、インストール作業は、夕食時になっても終わらず、食事から戻ったらやっと終わった。

ところが、いくつかの更新プログラムが更新されてないという警告があり、さらにWindows Updateを実行。何と25個も残っていた。しかもこの25個も一度には更新出来ず、3回に分けての更新となった。

最後の更新は4つだったが、たった94.5MBのダウンロードに1時間半と驚くほどの時間がかかった。携帯無線LANでのインターネット接続のせいだろうか。

ダウンロードした更新プログラムのインストールにも同じくらいの時間を要した。これは携帯無線LANとは関係ないゆえ、CPUやメモリーの力不足と言うことだろうか。

午後2時の作業開始から、ここまでの作業に、何と、深夜11時半過ぎ迄かかった。

これだけの作業をパソコンのユーザーに要求するというのは、何かおかしい。自作パソコンならあきらめも付くが、安くない金を払って買ったものが、使用開始のための準備作業に、これほどの時間をかけさせるというのは、今や家電製品となった商品としては、ばかばかし過ぎる。

しかも、このパソコン、皮肉なことに「らくらくパソコン」と唄い、初心者にも使いやすくと言うことを宣伝しているのである。ちっとも「らくらく」でない。おそらく初心者はお手上げになること必定である。

そういえば、ネットショッピングではない、大型店舗での購入では、費用は掛かるが、この初期設定を引き受けてくれるらしい。やはり、ものを売るなら、すぐ使えるようにして売るべきだろう。ネットショッピングは、それを覚悟してやれと言うことだろうか。